第53回 フィードバックの真骨頂
- netmannagaya
- 2023年6月23日
- 読了時間: 2分
チーム内での成長を促すためには
相互フィードバックが有効です。
自分で気づかないことも、
周りによって気づかされることがあるし、
何より「一人でない」状態により、
「自分もやらねば」というモチベーションのアップにつながります。
目標達成のための行動習慣化メソッド「PDCFAサイクル」のFは、
フィードバックのFです。
PDCAサイクルの問題は、途中でサイクルが回らなくなることです。
孤軍奮闘は継続の敵です。
そこでPDCAサイクルを回し続けるために、
周りとの関係性を活用していこうというもの、
それがFが加わる理由です。
「PDCFAサイクル」メソッドのFは以下の構造です。
共感+質問
目的は、相手の行動が変わるような気づきを与えること。
それが「質問」すなわち「問いかけ」です。
相手がもう一回頭を使って深く考えることを促す
ということですね。
この「問いかけ」が相手だけでなく、
「自分」に影響を及ぼすことがデータでわかってきました。
最近私がパートナー企業と大学とともに共同研究している分野に、
EQの成長とフィードバックの相関関係
があります。
流れは以下です。
・EQのサーベイ(A)
・1日研修
・ActionT.C.(行動習慣化システム)3ヶ月
・再びEQサーベイ(B)
B-AのデータをEQの成長データとして捉えます。
EQの成長とActionT.C.から得られるデータの
相関関係を調査するのですがわかったことがあります。
ある企業のリーダー研修でのデータを調査したところ、
フィードバックする数や文字数とEQの中の「楽観性」など、
いくつかの項目の成長に相関関係が発見されました。
(*この研究はある学会に論文投稿されました)
すなわち人にフィードバックをすると
EQが成長するということです。
これは画期的な発見です。
昔から「人の振り見て我が振り直せ」「情けは人のためにならず」
と言われてきていますし、
認知心理の研究ではフィードバックループという研究があります。
私の書籍では「ブーメラン効果」を書きました。
要は、人にフィードバックすると自分が成長するということ。
フィードバックを”受ける”ではなく”与える”ことが、
自分のためになるというのです。
チームのためにがんばれ!というのは簡単。
でもなかなかコミットメントさせることが難しい場面があります。
しかし、「あなたのためにこそ人に関わろう」
というのは同意させやすいでしょう。
人にどんどん関わり、フィードバックすることで、
自分自身が気づき成長できるのです。
相手が得をするのではなく自分が得をする。
これがPDCFAサイクルのメソッドにおける
フィードバックの真骨頂と言えるのです。
さあ!
『研修担当の皆さん!フィードバックのブーメラン効果を活用しよう!』