top of page

第8回 研修の納品物は終了報告書にあらず

みなさんは、研修の納品物は何ですか?


まさか、終了報告書ではないですよね。


ある研修開発の書籍の後半に

「研修修了報告書の書き方」

が書いてあります。


まあ、ほんと困った話です。


そんなことだから、いつまでたっても人材育成担当者は

会社の中で認められないのです。


金を稼いでいる部門長に


「また、現場を知らない奴らがうるさいこと言っているわ」

「また研修で部下をひっぱがしやがって。この忙しいときに」

「こんな程度のことを教えるために何日間も必要だったのか」


って言われてしまうのです。


評価制度を運営する人事部門と連携して(いるように見える)

人材育成部門に表立って楯突くことはなくても腹の中では

そう思っています。



それは、すべて、研修は、修了報告書で終了!って思っている

(しかも専門家がそう本で指南している)からです。


本当にそれでいいのでしょうか。

これからの研修の納品物は何でしょうか。



それは、3ヶ月後の「行動変容のデータ」です。

<何ヶ月後かは、全体のデザイン設計によりますが>


いったい誰がどんな行動を定着させたことができたのか。

という具体的な定量的定性的なデータです。


他の教育本がなんと言おうと、専門書がなんと書こうと

研修の目的は行動変容です。


やるだけのやりっぱなしの研修は実施してはいけません。

単なるコストだからです。


PDCAが回らなければ改善しようがありません。

では何をチェックするのか。


それが現場での行動なのです。


研修の効果を測定するために、件数の数ヶ月後に行動実践状況

を聞くアンケートを行うのは止めてください。


なぜなら残念ながら正しいデータをとることが難しいからです。


極めて設計と運用と実践が精密なプログラムなら別ですが、

それには高い専門力と実践力が必要となりコスト高です。


結局、雑な運用となりバイアスがかかったアンケート結果に

なるのが落ちです。



そのためにどうしたらいいかは別の機会に書きたいと思います。


さあ!

『人材育成担当者よ。研修の納品物は行動定着データとしよう』

bottom of page