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第39回 「問いかけ」は相手のため自分のため

チーム内で行われるフィードバック。


その目的は

相手の行動や思考によい影響を及す気づきを与えるため

に行われることです。

すなわち相手の可能性を引き出すために行われるのです。


ここで「気づき」という意味を考えたいと思います。


気づきとは、本人が自分で考えた上で新たに発見したことを指します。

よって無理矢理、相手の意見に迎合してしまった状態を刺すのではありません。

そして、行動の継続性を考えたとき、相手にもう一回考えてもらう機会を与えることが大切になります。


あれをやったほうがいい、こうしたほうがいいと具体的に指示してしまうと思考停止に陥ることがあります。

一瞬は動くかもしれませんが、長くは続きません。

一方で自分で考えて納得発見したことは長く続きます。


このような点から、フィードバックは相手に再度考えてもらうために行う、すなわち「内省」を再度呼び起こすために行うと考えると良いのです。


よってフィードバックの本質は

「問いかけ」

になります。


「問い」を「かける」ことによって、相手がもう一回深く考えることを助けるのです。

何に対して「問いかける」かというと

行動と思考

に対して行います。


行動であれば、相手の行動が目標に向かっているか問い、思考であれば、相手の考えがより客観的になるように問うのです。

問いかけによって相手が再度あたまをぐるぐる回し内省していくのです。


ただし「問いかけ」には注意点が必要です。

「人から学びそびれるわけ」で書いたように、価値観・視点が違う人(嫌いな人、合わない人)からの問いかけに、

耳を貸さない状態を避けなくてないなりません。


「目標達成のための行動習慣化メソッド」PDCFAサイクルの

の中にはF(フィードバック)の技術があります。

その中のフィードバック技術は共感+質問です。


共感とは

 (1)相手に関心をしめし、認める

 (2)共通の話題を出したり役立つ情報を提供する


質問とは

 (1)行動に着目し、目標達成に近づいているか問いかける

 (2)思考に着目し、より客観的に考えるように問いかけると説明できます。


共感と質問という2つがセットであることが重要です。


共感は、あくまで、問いかけを受け入れる状態を作りだすために行います。

価値観・視点が違う人であっても、意見を聞く状態を作り出すために「共感」という準備体操が必要なのです。

共感②の役立つ情報を提供は一般的にはアドバイスというものですが、このメソッドにおいては、アドバイスは単に「問いかけ」の準備でしかありません。


本命は、気づきを与えるための「質問」

これは単なる疑問を呈するものでもなし、無理難題を相手にふっかけるものでもありません。

ましてや自分の考えを押し付けるものでもありません。

相手の状況をしっかりふまえた上で、相手が再度考えを深めてくれるための言葉を使う必要があるのです。


「共感」で相手が聞く耳をもち、

「質問」で相手が深く考える

この共感+質問がフィードバック技術となります。


そしてこの技術として最も重要な考えがフィードバックはブーメランのように自分に戻ってくるということです。


行動を深く振り返ることを「内省」と言いますがそれは自分で自分を問いている「自問」をしていることに他なりません。


自分で勝手に気づき成長し続けている人

いわゆる自立型人材は、実はこの「自問力」が高いのです。


常にモノゴトの本質を探ろうと、経験したことを深く考察します。そして1つ1つのできごとを疑ってみる

ことで、本質に近づいて行くのです。問題の根本原因の追究につながりますので目標に近づくための行動変容がとても効果的になります。素早く成果を出すことになります。



フィードバックはフィードバックをもらう人にとっては自分だけでは限界がある「自問」を支援してもらっていることになりますが、実は、他人にフィードバックするとその言葉はまんま自分に戻ってきます。

セルフ・フィードバックとなるのです。


人に支援しているように見えるフィードバック。

それが実は自分を高めるための「自問」となって戻るのです。


自立成長するということはどれだ質の高い「問い」をもっているかということです。


人に対して発した「問い」が実は自分に向かうと質が高まるという事実があります。

まさに人に対しては気づきやすく、自分に対しては気づきにくい。

その気づきの弱点を埋めることができるのです。


さあ!

『研修担当の皆さん!フィードバックの技術を習得させよう』

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