top of page

第56回 揺らぎのない目標作り

先日ある企業のマネージャー育成のコンサルを行いました。

現在使われている目標管理制度の運用状況をお聞きして、

改善ポイントを提案していくのです。

そして最終的には、研修+行動定着プログラム

に落とし込まれていきます。


最初に現在の目標管理制度のシートを見せていただいたのですが、

その中身を見ていくと、

とても複雑でわかり難い形になっていることがわかりました。

もちろん人事評価制度との関係がありますので、

長年の蓄積でそうなっていったと思います。

誰も否定できません。


ただ、

「行動実践とその継続=定着」

という視点から見てみると、

問題点が多いことがわかりました。


その1つに、

「設定されている”目標”が、組織の目標を細かくしただけのもの」

になっている点です。

要は自分自身で作り上げたものではない。

ということです。

やらされ感がある目標ほど、実践に結びつかないものはありません。


ではどうしたらいいのでしょうか。


それは、会社・組織の目標に、

一人一人の自分の目標を練り込んでいく

という作業となります。


もちろん会社の目標と個人的な目標には差があるのでしょう。

会社からみたら、個人の自己啓発だけを目標にされたら

組織運営が成り立ちません。

だからといって個人の意見を無視するわけにはいかないのです。

しかも、その本人が成し遂げたいと思う目標のみが、

本気で取り組まれることは明白です。


その個々人の目標とはなんでしょうか。


それが「ありたい姿」です。


要はどのような人物像になっていきたいのか。

という目標です。


人は会社生活を通じて自分を磨いていきたいと願っています。

その高めていきたい方向付けを行うのが、


「どのような人物になりたいか」


という問いなのです。


ありたい姿を抽出するメソッドは多くの方法があるでしょう。

お互いにありたいリーダー像などを話し合ってもいいですし、

ロールモデルなど憧れの社会人を見出していく方法もあります。


今日は研修の方法論の紹介はまたの機会にしますが、


「揺らぎのない目標作り」には「組織の目標の細分化」に加え、

本人の「ありたい姿」が重要である、

という点は押さえておくと良いでしょう。


ぜひ工夫して、目標設定を行ってもらえたらと思います。


さあ!

『研修担当の皆さん! 目標設定には本人の”ありたい姿”も練り込もう』

 
 

最新記事

すべて表示
第63回 行動計画が実施されない理由(副詞に注意)

やりっぱなしの研修を行動定着型に転換するサービスを開始して もう13年になります。 最近は中原淳先生の書籍『研修開発入門 「研修転移」の理論と実践』(ダイヤモンド社) に私の本やNETMANのITシステムが紹介されたこともあり...

 
 
第62回 研修前に受講生の上司を巻き込む

なぜ研修がやりっぱなしになるのでしょうか。 様々な原因がありますが主の原因に 「受講生が仕事と思っていない」 というものがあります。 その意味は、受講生が参加する前の心構えとして 「学んだことを職場で生かして成果をあげることにコミットせず」...

 
 
第61回 視野を広げるには

よく人材育成の現場で、「視野を広げて考えよう」 と言われることがあります。 視点を変えて物事を広く見ることで気づくことを 多くしようという試みです。 この「視野」という言葉。 少し整理して考えたいと思います。 まず、ある位置に自分が立ってみてください。...

 
 
bottom of page