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第6回 なぜ研修の最後に盛り上げるの?

研修の最後セッション


ファシリテーターが声を張り上げます。


「さあ、コミットメント宣言タイムです!

 みんなでお互いにエールを送りましょう!」


 「決意表明の発表!」


と題して、ひとり一人の熱い発表が始まります。


「 ・・・・

 私はこの研修で学んだことを職場に活かし

 理想のビジネスマンになれるように頑張ります!」


このような熱血なものから


「 ・・・・

 私はこの仕事を通じて夢を叶えたいと思います。

 それを気づかせてもらった仲間に感謝します。

 本当にありがとうございました。」


と感動的なものもあります。


いずれも、とても盛り上がるセッションです。

仲間との一体感も最高値になるでしょう。


そしてこの研修自体の印象をとても良くすることでしょう。

変わるキッカケをつかむ人もいるかもしれません。

満足度アンケートのスコアも上がるはずです。


でも、本当に、こんな”舞台のフィナーレ”のようなシーン

が研修の最後に必要なんでしょうか。


私は、”大丈夫?”と心配になってしまいます。

その場のムードの瞬間的な盛り上がりは一時的なことであり

行動が続かないことが多いことを知っているからです。


またこのような「コミットメント(決意表明)」を、研修の最後に

幹部の前で行う”リーダー研修”があります。


これは、半強制的な場であり、見えない”評価”を意識してしまうので、

発表が形だけのものになりやすいのです。


研修プログラムの目的を、職場に戻った後の”行動変容”においたとき、


研修の最後に発表などで盛り上げる必要は全くありません。


なぜなら、終った感が出てしまうからです。

かえって行動に結びつかないのです。


無理に盛り上げるより、悶々として頭を抱えたまま

研修が終った方がいいくらいなのです。


さあ!

『人材育成担当者よ。最後に盛り上げるのはやめよう!』

 
 

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