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第53回 フィードバックの真骨頂

チーム内での成長を促すためには

相互フィードバックが有効です。


自分で気づかないことも、

周りによって気づかされることがあるし、

何より「一人でない」状態により、

「自分もやらねば」というモチベーションのアップにつながります。


目標達成のための行動習慣化メソッド「PDCFAサイクル」のFは、

フィードバックのFです。

PDCAサイクルの問題は、途中でサイクルが回らなくなることです。

孤軍奮闘は継続の敵です。

そこでPDCAサイクルを回し続けるために、

周りとの関係性を活用していこうというもの、

それがFが加わる理由です。


「PDCFAサイクル」メソッドのFは以下の構造です。


共感+質問


目的は、相手の行動が変わるような気づきを与えること。

それが「質問」すなわち「問いかけ」です。

相手がもう一回頭を使って深く考えることを促す

ということですね。


この「問いかけ」が相手だけでなく、

「自分」に影響を及ぼすことがデータでわかってきました。


最近私がパートナー企業と大学とともに共同研究している分野に、


EQの成長とフィードバックの相関関係


があります。

流れは以下です。


・EQのサーベイ(A)

・1日研修

・ActionT.C.(行動習慣化システム)3ヶ月

・再びEQサーベイ(B)


B-AのデータをEQの成長データとして捉えます。

EQの成長とActionT.C.から得られるデータの

相関関係を調査するのですがわかったことがあります。


ある企業のリーダー研修でのデータを調査したところ、

フィードバックする数や文字数とEQの中の「楽観性」など、

いくつかの項目の成長に相関関係が発見されました。

(*この研究はある学会に論文投稿されました)


すなわち人にフィードバックをすると

EQが成長するということです。


これは画期的な発見です。

昔から「人の振り見て我が振り直せ」「情けは人のためにならず」

と言われてきていますし、

認知心理の研究ではフィードバックループという研究があります。

私の書籍では「ブーメラン効果」を書きました。


要は、人にフィードバックすると自分が成長するということ。

フィードバックを”受ける”ではなく”与える”ことが、

自分のためになるというのです。


チームのためにがんばれ!というのは簡単。

でもなかなかコミットメントさせることが難しい場面があります。

しかし、「あなたのためにこそ人に関わろう」

というのは同意させやすいでしょう。


人にどんどん関わり、フィードバックすることで、

自分自身が気づき成長できるのです。


相手が得をするのではなく自分が得をする。

これがPDCFAサイクルのメソッドにおける

フィードバックの真骨頂と言えるのです。


さあ!

『研修担当の皆さん!フィードバックのブーメラン効果を活用しよう!』

 
 

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