top of page

第4回 「いい講師いない?」って目的は何?

仕事柄、人材育成担当者が集う会に行くことがあります。

そんなときに交わされている言葉で気になる会話があります。

それは


「ねえー。どこかに、いい講師いない?」


です。


停滞気味の組織のモチベーションを上げるために研修を企画しており、いい講師を探していると言うのです。


「あの~。盛り上げるのが目的ですか?

 だったら、演劇でもみんなで見に行けばいいのに。

 よっぽど、いい演者がいますよ。」


いい講師を探すといっている時点で、主役が誰か分からなくなっている証拠です。

どんな講師が必要かではなくて、どんなプログラムがを実施する必要があるかということです。

その上でどのような技術をもった講師が必要かという順番です。

さきに「いい講師」という会話があるはずがないのです。

似たような会話で


「最近、どんな研修が流行ですか?」


があります。


「ちょっと待て、研修をやることが目的ですか?」


最近、ロジカルシンキングが流行っているからって”論理思考”の研修をやろうというのはおかしいです。

あくまで、


目標を達成するには、今、現場にどんな課題があり、

それを解決するためにどんな行動変容が必要で

そのためにはどんな研修プログラムが必要なのか。


という順番で考えなくてはいけません。

先に、流行の研修ありきではないのです。


いい講師いない?流行の研修は何?


という会話は、


「研修を行うことが目的になってしまっている」


ことを物語っているのです。


さあ!

 『人材育成担当者よ。研修の真の目的を考えよう!』

 
 

最新記事

すべて表示
第63回 行動計画が実施されない理由(副詞に注意)

やりっぱなしの研修を行動定着型に転換するサービスを開始して もう13年になります。 最近は中原淳先生の書籍『研修開発入門 「研修転移」の理論と実践』(ダイヤモンド社) に私の本やNETMANのITシステムが紹介されたこともあり...

 
 
第62回 研修前に受講生の上司を巻き込む

なぜ研修がやりっぱなしになるのでしょうか。 様々な原因がありますが主の原因に 「受講生が仕事と思っていない」 というものがあります。 その意味は、受講生が参加する前の心構えとして 「学んだことを職場で生かして成果をあげることにコミットせず」...

 
 
第61回 視野を広げるには

よく人材育成の現場で、「視野を広げて考えよう」 と言われることがあります。 視点を変えて物事を広く見ることで気づくことを 多くしようという試みです。 この「視野」という言葉。 少し整理して考えたいと思います。 まず、ある位置に自分が立ってみてください。...

 
 
bottom of page