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第38回 チームの価値とは何か

研修の中でグループやペアになってワークを行うことは良くあります。

学びを深めたり、新たな気づきを得るために他者を利用するのです。


そのグループの存在価値は何でしょうか。


単なる異業種交流会であれば、「知り合う」ことが目的ですので、話して関係を深めて、仲良くなろうとすればいいでしょう。


しかし企業で行われる研修であれば

「お互いに考えを深めたり、新たに気づく」

ことが目的ですので、単にコミュニケーションすればいいというわけではありません。


講師からの「問い」を受けてお互いに意見を出し合い、いかに新たな発見ができるかが、重要になります。

そして、お互いの役割の認識が、

「個々の目標達成を目指し、

 相手の行動や思考に

 よい影響を及す気づきを与えるために

 本気のフィードバックし合うこと」

となったとき単なる集まりである「グループ」は、お互いに高め成長し合う「チーム」に変貌します。

このような前提条件を学びの場では作り出す必要があるのです。


相互フィードバックがチームの存在価値です。単なる意見交換やアドバイスをし合えばいいというわけではありません。

ところが、チームの存在価値を認識することはなく、当たり前のようにグループワークが行われている研修が多いのが現実です。

チームビルディングもお互いの関係性構築だけに着目してしまっているものも多いは残念なことです。それではいいチームにはなりません。


でもなぜそのようにいい加減なチームビルディングがまかり通るのでしょうか。


それは、「研修で解散」だからです。


その場限りの関係では、相手に対して身が入るわけがありません。

本気のフィードバックをするより、学び合う「フリ」で済ましたほうが無難なのです


そこで私は、ITシステム等を使って、研修終了後もチームを一定期間継続する仕組みを取り入れること提案します。職場に戻った後でも行動に影響を及し合うことができるのです。


そのような状況であれば、嫌でも、研修でうわべだけのいい加減なチームを作るわけにはいかなくなります。なぜなら薄いチームだとフィードバックがITシステムで継続しないからです。(職場に戻ったあとで別部門の人との関係が面倒になるのでしょう)

結果、質の高いフィードバックが継続するように研修を改良するようになります。


目標の裏にある背景などを共有することでお互いに感情移入する時間を作ったり、フィードバックの手法をしっかり学ばせ、お互いに実際やらせてみたりするでしょう。

まさにお尻に火がつけば真剣に考えるようになるのです。



さあ!

『研修担当の皆さん! チームの価値を認識させた上でワークをしよう』

 
 

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