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第22回 忘れることを前提にデザインする

研修がやりっぱなしになる原因においてもっとも単純な理由が


・研修で設定したアクションプランを忘れる


ことです。


ドイツの心理学者エビングハウスの忘却曲線をご存知でしょうか?


1時間後44%忘れる。

1日後74%忘れる。

1週間後77%忘れる。


これは驚くべき数字です。

研修をやっても翌日に覚えている人はわずか4人に1人なのです。

4人に3人は忘れてしまうのです。


忘れてしまうのは人の常であり性質なので変えようがありません。

むしろ積極的にその性分を受け止めた上で


・忘れないためにはどうすればいいか


と考えればよいのです。


私は、行動習慣化支援ITシステム[ActionT.C.]を開発し日米で特許を取得しました。(2005年PCT国際特許出願。2007年日本、2012年アメリカで取得)


その特許システムの1つの構成要素が、「アクションプランのリマンドメール」です。


研修直後にアクションプランをITに入れておけばタイムカプセルシステムが起動して、システムが本人に教えてくれます。セルフチェックをしないとしつこいスヌーズメールが来るのもシステムならではです。


日本はもとよりアメリカで特許が取得できたことは世界的にその種のシステムがなかったということですが、その先進性よりも、その視点が教育分野に足りなかったことを現していると思います。


人間は忘れるもの、ならば思い出すことは、ITシステムに任せてしまえという発想でよいではないでしょうか。


そして研修がやりっぱなしになる原因として


・復習する仕組みがない


ということも大きいです。

コストを掛けて集合研修を何回もやることは不可能です。


しかし学んだことを思い出し、行動を実践し振り返りしていくという反復活動によって行動は定着していくものです。


そのような活動を忘れない仕組みはITに任せるべきではないでしょうか。

そして継続する中で自ら考え自ら最適な行動に気づいてほしいのです。


私たち研修を企画・運営するものにとっての本当の目的は、


【学習者が自立成長してくれること】


なのですから。


余談ですが、私の経験から、


・打ち上げがある研修は、忘れるレベルが高い


と感じます。


打ち上げとは、研修終った直後に行われるパーティーや飲み会のことです。打ち上げという言葉から、終った感があります。


行動変容が目的の研修は研修当日はゴールでなくスタートであるはずです。

なぜなら職場での行動することが求められるからです。


なのに「終った感を出してどうするの?」と思ってしまいます。


打ち上げをするなら研修後3ヶ月後に集まって、行動実践の内容を共有したあとに、「打ち上げ」をするほうが実のある会となるでしょう。


さあ!

『人材育成担当者よ。アクションプランを思い出す仕組みを取り入れよう』

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